敷地の二重利用について簡単に解説

港区芝浦でJR九州が建設しているマンション「グランドプレシア芝浦」が敷地の二重利用だとして話題になっています。「敷地の二重利用」とは何なのか、わかりやすく解説します。

※わかりやすく解説することに重点をおいているため詳細までこの記事の記載内容が正確でない可能性があります。

※基本時に細かい数字は正しいか未確認です。あくまでも参考程度です。

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 概要

「グランドプレシア芝浦」新築工事(以降:「新築マンション」と呼びます)はJR九州が建築主であり、品川駅と田町駅の中間、JRの新駅が設置される付近に位置する東京都港区芝浦四丁目で行われています。

近かったので直接訪れてみました。撮影日は7月14日です。

南側からの写真です。右奥に見えるクレーンの下が新築マンション建設現場です。隣のマンション「グランドパレス田町」(以降:「現存マンション」と呼びます)の「JR九州やめて マンション建設」の垂れ幕が目立ちます。

北側からの写真です。中央に見えるクレーンの下、柵の中が新築マンション建設現場です。現存マンションの「JR九州の賃貸マンション建設は敷地の二重利用につき絶対反対!」の垂れ幕が目立ちます。

新築マンション建設現場に貼ってあった建設計画の表示です。

また、建設業の許可票、建築基準法による確認済の表示があります。

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現存マンションとの関係

新築マンション建設現場は以前現存マンションが保有していた土地で時間貸し駐車場でした。しかし、36年前にある企業に売却しました。その際に「駐車場にしか使用してはならない」と口約束をしていたようです。その後、その企業は倒産。何度か転売され、この口約束は忘れ去られてしまったのです。

駐車場では問題なくて、マンションだと問題があると主張しているのはどうしてなのでしょうか。

事前知識 建ぺい率と容積率 とは

まず事前知識として建ぺい率及び容積率を簡単に説明します。
建ぺい率とは建物を真上から見た時の面積を土地面積の何%まで使っていいかという決まりです。
容積率とはすべての床面積の合計を土地の何%まで使っていいかという決まりです。

付近の建ぺい率は60%、容積率は400%です(港区都市計画情報提供サービスより)。

新築マンション計画前の状態

現場付近の衛星写真を示します。赤色部が現存マンション、黄色部が新築マンションです(線は目安です)。

現存マンションの敷地はおよそ1580平方メートル、新築マンションの敷地はおよそ2200平方メートルあります。

現存マンションが建設されたときは、駐車場もそのマンションの土地のうちとして扱っていました。つまり、およそ1580+2200=3780平方メートルの土地面積をもっていました。

このとき、建ぺい率は 1580÷3780=42% < 60% となり決まりを満たしています。
また、容積率も細かい数字はわかりませんが地下2、地上14階建てとのことでギリギリ満たしていると考えられます。

新築マンション建設によって現存マンションが違法になる

しかし、現存マンションの土地のうち2200平方メートルが売られてしまい、新築マンションが建設されることになりました。

そうなると、現存マンションの土地面積は1580平方メートルとなります。

このとき、建ぺい率は 1580÷1580=100% > 60% となり違法建築となってしまいます。
また、容積率もギリギリであったためこちらも違法となってしまいます。

新築マンションは合法なのか?

現存マンションはマンション建設を違法とし、中止するように訴えかけていますが、当の新築マンションはあたかも適法的に見えます。

先程示した写真「建築計画のお知らせ」によると新築マンションの敷地面積が2197.67平方メートル、建築面積が1200平方メートル、床延べ面積が12400平方メートルとなっています。このとき、

建ぺい率は 1200÷2197.67=55% < 60%
容積率は 12400÷2197.67=564% < 600%

となり適法となります。(容積率が規定の1.5倍の600%にアップしているのは公開空地を設置することで総合設計制度が適用された可能性が高いと感じたためです)。

まとめ

残念ながら法律上では新築マンションの建設は適法であり、完成後は現存マンションは違法となってしまいます。

現在の法律では「敷地の二重利用」は取り締まれない法の抜け穴となっています。このような事態を防ぐ対策としては、マンションの購入者が土地を区分所有することが有効だと考えられます。

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参考

敷地の二重使用問題とは? ~ある日あなたのマンションが違反建築物に!
高浜橋北詰に見るタワー文明の勃興(2)北西サイド編part2.(仮称)レジデンスブラッサム芝浦 – スムログ
湾岸考古学シリーズ、次をどうしようとまた間があいていたら、例によってTwitterでお題が流れてきました。
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